波打ち際
君がてんでバラバラに呼ぶ
僕の名前なんてものに
僕はいちいち思案しないけど
夜の景色はもう本当のところ
ずっと前に海の底に沈んでいて
その秘密を守り通すのに
みんな疲れ切っている
うつりこんだかわいそうな
星が近づいたり離れたりするけど
砂時計のように無関心でいる
何度目かの夜にのまれて
僕は僕の命の中にある
むかし名前があったエネルギーを振り絞る
そのうちきっと僕は冬の香りなんて
すっかり分からなくなるんだ
誰かの切実さにずっと憧れている
みんなも同じだから噂ができあがるんだろう
君の口からこぼれる僕の名前に
僕はまだ返事ができる