深海の透明

クジラ
クジラ

星空にもぐる
その巨体が収まる場所を
見つけて喜んでいる

彼は星と星のあいだを渡り
優しい人のために息をした

びりびりとその声が深いのは
人が夜にとけてしまわないため

クジラ
クジラ

彼を見上げる人びとは
誰も彼を覚えていられない

彼は星を揺らしてまわる

またたきでもあれば
人は人のために
祈れることを知っている