飛沫

薄氷に映った星空に触れたら
溶けて何もかもが消えてしまった
僕はそれを大事にかかえて外に出し
しばらく快く眺めていたけれど
やがて季節は変わってしまう

僕は十分に逃げてきたから
気づいた時にはもう後がなくてさ
自分が嫌いでどうしようもない時も
何も出来なくて隅の方で喚いていた

救いたいことだっていくつもあった
君が流した涙を救いたかったし
あの時の約束を果たしたかった
なのに大切に触れていようとすると
いつも痛みを残して姿を変えていく

嫌いな人間には然るべき不幸を
好きな人間には然るべき幸福を
そして出来れば自分には
ちょっぴり上の幸せを

交差点はそんな声で溢れてて
本当はもう何もかもが手遅れで
自分を始めとする全てのものが
もう救いようなく悪くなりきっている
時々そう感じてしまいそうになるよ

「気が狂いそうな毎日を積み重ね」
「何が正しいか分からなくなる前に」
「ちっぽけな自分を自覚し尽くして」
「逃げようとして何が悪い?」

そう考えたくたって
心が潰れそうなほど
触れたいものに触れていたかった
そんなんだからきっと
今でさえ
目がさめないままなのだろう

薄氷に映った星空に触れたら
溶けて何もかもが消えてしまった
僕はそれを大事にかかえて外に出し
しばらく快く眺めていたけれど
やがて季節は変わってしまう

それをすくって種にまこう
君の涙も混ざってんだろ
星色の花が咲くことを祈って
いつか一緒にそれを見よう

もっと僕を信じろよ
また僕を信じるよ