咀嚼
ああ 夜景が終わる
剥げたアスファルトにくるまりながら
月が泳ぐ砂漠だったころを思い出そうとした
こんなはずじゃなかったと
誰かの吐息があった気がした
たどりつけない たどりつけない
どこまでも 本心では 誰かの幸せを願いながら
建前では誰かを壊そうとしている
ああ 夢は 夜は 人は 鳥は
どちらが僕を咀嚼しくれるだろう
エレクトロニクス 劣等種 丸窓 薄雲の影
どこまでも 見通して 指を折って投げて
その場所がどこか 見通して 僕がいた場所に
僕だけが残る 残る 残る
君を表す言葉なんて ほんとはないこと
分かっていたよ 僕が形容したときにだけ
そこにあるまやかし やさしい
まやかし たどりつけない
僕を言って 誰かの擦過音でいい
夢のなかで 僕を言って
夕焼けに流して 僕を言って
まやかしの 僕を 言って
たどりつく 僕を 表して