#poem

This man

壁に何千の 花を描いてさ
そこで人が 優しくなれるように
ようこそ 僕へ
僕は中にいるから

土の上に立つために 僕にはルールが必要で
そのうち何もないところへ行きたくなる
さよならの時に どうしようもなく
安心してしまうのは いつからだっただろう

何かを伝えられたわけじゃない
でも何も伝えたくないわけじゃない

届け 届け 届け
自分にも届かないことに
時々崩れそうになるけど

どうか どうか どうか
空を食いしばり 涙を握って
静かに叫び続けるよ

大切な言葉が 言えなかったのは
その日雨が 降らなかったせいだろう
どうぞ 自由に
僕は星を見ているから

ちゃんと壊さないように 初めから触れないことにした
不確かさを隠す表情はどうやったっけ
また会おうと 約束したけど
僕はまた 僕を作っていけるだろうか

気持ちが分からなかったわけじゃない
でも気持ちを分かって欲しいのも違う

留まれ 留まれ 留まれ
空虚が暴れ狂うたびに
横顔を見てしまうけど

どうか どうか どうか
空を食いしばり 涙を握って
静かに叫び続けるよ

壁に 花に 雨に 星に
本当は僕のすべてで
僕は僕を伝えようとしていて

気づいて なんて 勝手な 僕を
空の遠さへ 涙の深さへ
むせび歌い続けるよ

ようこそ 僕へ
僕は中にいるから