#poem

夕波

生きることを殺すことをずっとする
君はきっともう立派な共犯者で

寂しさがなくなった果てを
君はようやく知りつつあって
失われるだけの
不安にねじ切られそうだろ

夏はいつも押しつけがましく
無遠慮に雲をはりつける

それから人は
人にかけた期待だけを覚えている
そのくせ目の形さえもう覚えていない

ふるふると震える水たまり
君の姿を映写しろ

青く青く
失われ失われ
空を落とす

誰が許そう
僕がゆくのを

とんぼがとまり
夕立がくる